10月の1回目は、皆様に馴染みの少ない「メナモミ(雌ナモミ)」です。
ちなみに、ラテン名は、Sigesbeckis pubescens Makinoです。
メナモミは、キク科メナモミ属の一年草で、山野の道端や荒地、畑、草地に生え、草丈は60~120cmになります。
そのメナモミが、借りている畑で、人の背丈位に大きく成長し、花を咲かせました。
5〜8月に、ローゼルソウ(一般名:ローゼル)と、モロコシの種を蒔きました。その間に、広い葉の植物が出てきたので「何かな?」と思っていたら、花を咲かせました。なんとメナモミ!! そういえば一昨年、南阿蘇で種子を採取し、播種したことを思い出しました。除草しなくて良かった。 近頃は、必要でないことはよく忘れます。認知症かな? 子供の頃からず〜〜っと、よく忘れるので変わっていないかな?(笑)
ローゼルソウとモロコシの間に出てきた「メナモミ」
メナモミ(雌ナモミ)の花
<オナモミ(雄ナモミ)>
「メナモミ(雌ナモミ)」に似た名前の植物に「オナモミ(雄ナモミ)」があります。子供の頃、草むらに入るとついてきたヤツです。トゲトゲした実が服にくっつくので、友達と投げっこして遊んだ方も多いと思います。この「くっつき虫」と言われたのがオナモミです。カバンや靴などに使われている「マジックテープ」は、オナモミが犬の毛にくっつくことにヒントを得て開発されたそうです。
ただ、「くっつき虫」と思っていたオナモミのほとんどは「要注意外来生物」の「オオオナモミ(外来種)」の可能性があります。オナモミは、絶滅危惧種に指定されています。
オナモミ(雄ナモミ)の実
<メナモミ(雌ナモミ)の薬効>
メナモミは、薬用としては、中国では、全草を「キケイ(Xi Xian)」、果実を「キケイカ(Xi Xian guo)」と言います。
全草は、味は苦、性質は寒で、風湿を除く、筋骨を利す、血圧を降ろすなどとして、動脈硬化・高血圧の予防、風邪、腫れ物、リウマチ等の関節痛に、中風、脳出血予防、手足の麻痺などに用いられるようです。
果実は、回虫駆除に用いると記されています。
余り目立ちませんが、興味深い薬草ですね。
また、長年お世話になった先輩、故 村上光太郎の著書「食べる薬草事典」にも、メナモミは、動脈硬化、脳卒中の予防と後遺症の改善、リウマチ、中風、手足の麻痺などに効果があると記されています。
話がそれますが、村上光太郎先生に「広島に、“薬用植物三馬鹿”がいる。それは、お前と、正山さんと、俺だね」と言われたことがあります。三馬鹿に入れてもらい嬉しかったです。ありがとうございます。
メナモミ(雌ナモミ)の実
<Makino:「牧野富太郎」>
それとついでに、「牧野富太郎」先生をご存知ですか? 「メナモミ」のラテン名の命名者は「Makino」、高知の「牧野富太郎」先生のことです。「Makino」は命名者略記といい「植物の学名の命名者を示す場合」に使われます。
「牧野富太郎」先生は「日本の植物学の父」といわれ、多数の新種を発見し命名も行い、植物分類学で世界的に有名です。
植物は分からないことだらけ。90%位はわからないことでしょうか? 例えば、植物を用いる漢方薬の薬理効果は? 何故治るのか? その有効成分は? メカニズムは? etc. 牧野先生は生涯子供の心を持ち続け、何故?何故?と、植物を観察し続けられた方です。
<セルフメディケーションは 大事 !!>
ところで、そろそろ風邪の季節ですね。もし、風邪、インフルエンザ、嘔吐下痢症に罹ったらどうしますか? すぐ医者に行きますか? でも、おかしいと思った時には、直ぐ、まずは、自分でセルフメディケーションしてみてください。
例えば、冬の感冒(風邪)は、寒邪で「ゾック」とします。その際は、間髪入れずに「風邪薬(市販薬)を飲む」+「腰から背中を暖める」。これで、普通は、ひどくなることはありません。
漢方薬なら、
・節々が痛いインフルエンザ様(新型コロナも同じかも?)の風邪には、
「麻黄湯」。もし手元に無かったら、「葛根湯」を2包。
・肩が少しこわばりゾクっとしたら、「葛根湯」を1包。2時間経ったらまた1包。
・嘔吐や下痢には「五苓散」を頓服で。症状が軽減します。乳児や子供には、特に効果があります。
「葛根湯」「麻黄湯」は、おかしいと感じたら直ぐに。1〜3日も飲めば効果がありますが、もし、効かないときは病院へ。風邪を引き、2〜3日経って病院に行く頃は、葛根湯・麻黄湯の症状ではなくなっています。
「五苓散」は、「車酔い」「二日酔いの喉の渇き」「雨が降りそうな時に起こる片頭痛」にも効果があります。
漢方薬も捨てたものではありません。ただ、漢方薬を良く知っている薬剤師に相談してお試し下さい。
これからの季節、風邪薬や漢方薬を常備し、症状が出たら、即、頓服で、利用してください。大事に至らずに済みますよ。
ところで「かかりつけ薬局」をご存知ですか?
「かかりつけ薬局」とは、“いつもの薬局”を持つことです。話をよく聴いてくれて、自分のことを分かっている薬剤師がいる薬局を一つ決め、薬や健康のことで疑問や困ったことがあれば自由に相談できる薬局です。市販薬(OTC医薬品)選びのアドバイスもしてくれます。相談は基本無料のはずですが、薬局で確認してください。
「かかりつけ薬局(薬剤師)」、「かかりつけ医」を持っておき、巧く利用してください。
「かかりつけ医」を持たない方は、「かかりつけ薬局(薬剤師)」に相談し、自分のためにも、良い病院(医師)を紹介してもらうのがBestです(保険医療費削減のためにも)。
<私の勝手な意見>
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