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第13回 ゴホン!といえば、ツルニンジン!!




10月の2回目は「ツルニンジン」。漢字で蔓人参と書きます。

キキョウ科の蔓性多年草です。

蔓植物で、根が ”薬用人参” のようでついた名です。

方言で「チソブ、ジソブ(爺ソブ)」などとも呼ばれています。

釣鐘状の花をつけ、一度見ると忘れられない可愛らしい花です。




ツルニンジンの花



<ツルニンジンの薬効>


ツルニンジンの根の主成分はサポニンで、薬用として「去痰」に用います。

生薬名は“羊乳(ヨウニュウ)”といい、「味:甘辛」、「性質:平」で、痰を去る、腫れを消す、解毒する、膿を排し、乳を促す等の効果があると言われています。

しかしサポニンには溶血性を持つものもあるので、多量の使用は避けて下さい。


根が薬用人参に似ているので、昔は代用に用いることがありましたが、ツルニンジンには、強壮や温める作用はありません。

昔、熊本で、当帰(トウキ)を薬用人参として苗屋で売っていました。葉が薬用人参に似ているからでしょうか? でも、葉の香りは違います。

サポニンを含む植物には、キキョウ、トチバニンジン等があり、ツルニンジンと同じように、咳止め、去痰に用いられています。

また、植物に含まれる天然の界面活性剤のサポニンは、昔は、石鹸や洗剤として利用されていました。



<実りの秋>


ところで、ようやく涼しくなり、秋かなぁと思ったら、地域によっては冬模様ですね。

関東では、木枯らし1号が、吹いたとか吹かないとか。

畑の横の水田のイネ、畑に行かなかったら稲刈りがすっかり終わっていました。

機械は凄い!!


水田のイネ




左:米の花

右:緑米。玄米の品種の一つ。玄米の皮の部分が緑色を帯びているのが特徴。生産量が少ない貴重な品種(古代米)。



<米糠(ぬか)>


籾殻を除いたら玄米。それを精米すると「白米」と「糠」に分かれます。その「糠(ぬか)」は「粕(かす)」として扱われ、私達の目にはあまり触れませんが、米糠には、ビタミン、ミネラル、植物繊維、糖分など、多くの有効成分があり、米糠油(脂)も得られ有効活用されています。

米糠油(脂)の主成分の「脂肪酸」には、「不飽和脂肪酸」のオレイン酸、リノール酸が、それぞれ45~50%、30~40%含まれ、「飽和脂肪酸」は、主にパルミチン酸を10~20%含み、少量のステアリン酸なども含まれています。


<脂肪酸>


ここで、簡単に、健康に役立つ「脂肪酸」についてお話しします。

「脂肪酸」は、大まかに4つに分けることができます。


①飽和脂肪酸

肉、乳製品(牛乳、バター)卵黄、チョコレート、ココナッツ油などに多く含まれます。

体内で合成できる脂肪酸で、エネルギーとして使われやすいですが、過剰摂取しやすく、健康面でのデメリットに注意が必要です。

例:ステアリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸など


②一価不飽和脂肪酸

オリーブオイル、菜種油、アボカド、タラ肝油、イワシ油などに多く含まれます。

エネルギーとして使われにくく、常温で液体の脂肪酸です。

例:オレイン酸、ミリストレイン酸、エイコセン酸など


③多価不飽和脂肪酸

青魚、植物油(トウモロコシ油・大豆油・サラダ油等)、クルミ、荏胡麻などに多く含まれます。体内で合成できない「必須脂肪酸」を含み、オメガ3系、オメガ6系脂肪酸に分類されます。

例:リノール酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコペンタエン酸(EPA)、アラキドン酸など


④トランス脂肪酸、水素添加脂肪酸(人工脂肪酸)

植物油を高温にする際に生成されるトランス脂肪酸は、マーガリン、ショートニング、ファットスプレッド、加工油脂などに含まれ、心臓疾患などの健康へのマイナス面が報告されています。


というわけで、健康上プラスになる脂肪酸の摂り方は以下のようです。


■「飽和脂肪酸」は意識して過剰摂取しないよう心がける。

■「一価不飽和脂肪酸」や「多価不飽和脂肪酸」のうち、特に「必須脂肪酸」は、体内で合成できないので意識して食事で摂るようにする。

「トランス脂肪酸」は極力取らない


身体に必要な栄養のひとつの「脂肪酸(脂質)」は、私たちの身体にとって重要な栄養素であり、食べ物をおいしくしたり、食べやすくしたりする等の役割を担っています。

「脂肪酸」の摂取は、バランス良く、ホドホドに食品から摂るのがベストです。


糖分(ぶどう糖)を過剰に摂取すると肝臓で「脂肪酸」替わり、体内に脂として貯まります。適度な運動をし、エネルギーで消費しましょう。



飽和脂肪酸

参考図書:天然薬物科学(川崎、西岡 編著、平成9年、廣川書店)



不飽和脂肪酸

参考図書:天然薬物科学(川崎、西岡 編著、平成9年、廣川書店)



ところで、油の量を“簡単”に量る方法をご存知ですか。ゴマの種子を紙(キッチンペーパーなど)に挟み、ペンチで潰すと紙に油が染み出してきます。

その大きさで油の含有量が推定できます。15年くらい前に教えてもらいました。

子供達といろいろな種子を、ゴマの油の染みと比べ、遊んでみてください。

ただ、ペンチ等、道具の扱いに慣れていないと危ないです。使用の際はくれぐれもお気をつけて!!

インスタグラムでも紹介しましたが、「柿」の種を潰すのはペンチで。

でも、鴨は「柿」の種を丸呑みしていましたよ。驚いた!! この種にもやはり油脂が含まれています。種子に含まれる油(脂)に含まれる「脂肪酸」は、種子が発芽や発根をする、最初の成長のためのエネルギーに使われます。













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