11月の最初は、「ナギナタコウジュ(薙刀香薷)」、シソ科の1年草です。
花期は9月~11月。野山で見られる秋の花です。
花が一方向に密生して咲き、花の穂先が薙刀(ナギナタ)に似ており、また、シソ科植物特有の強い香りがあるので、その名がついたと言われています。
英名はクレステッドレイトサマーミント( crested latesummer mint )、アイヌ語では“エント”と言います。「エント(ナギナタコウジュ)の強い香臭は病魔を遠ざけるので常用すれば健康でいられる」と、アイヌでは考えられていたようです。
ナギナタコウジュの花
<コウジュの効能>
全草(地上部)を乾燥させたものを「香薷(コウジュ)」といい、生薬です。
性質は温、味は辛。解熱、利尿、暑気あたりなどに効果があります。民間では浴湯剤として用いられています。
中国の薬物書には、発熱時の発汗促進、四肢の麻痺、結核による吐血、感冒に著効をしめし、また瘡毒(梅毒)を治すと記されています。
また、香薷(コウジュ)は、精油を多く含むため、血行を良くし、発汗を促進するので、夏場のお腹の冷え、冷たい物の飲み過ぎ等、胃腸型感冒や急性胃炎に良く効くと、書かれている本もあります。
香薷の1日量は5~10グラム。これを適量の水で煎じて冷やし、1日に3回に分けて服用します。
■獣害を防ぐ効果も
私がナギナタコウジュを植えているのは、「猪の獣害を防ぐ」と言われているからで、わざわざ知人からいただきました。
さらに、エゴマも、猪や鹿の被害を防ぐ可能性があるので、唐芋(サツマイモ)を植えた周りに植えています。
香りの強い「ナギナタコウジュ、レモンエゴマ」のおかげか、幸い、今のところ、猪や鹿は現れていません。近くに、まだ、獣害は無いようです。
■うどん粉病が少し心配
ナギナタコウジュの葉がうっすら白く感じ、気がかりです。
うどん粉病に罹っているのかな? うどん粉病は、若い葉や茎の表面にうどん粉をまぶしたように白いカビが生えます。花柄(カヘイ/枝や茎から分かれ出て、その先に花がつく短い柄の部分)にカビがつくと開花を阻害するので、花がどの程度咲くのか心配です。種子が採れるかなぁ?
■ナギナタコウジュに守られて、サツマイモが豊作
さて、焼き芋がおいしい季節ですね。
今年植えた「サツマイモ(唐芋、甘藷)」は8種。ナギナタコウジュとレモンエゴマを周りに植えたおかげで豊作です。
甘くて美味しいのは、シルクスイート、紅ハルカ、紅東(ベニアズマ)。
アントシアンで紫色のフクムラサキ、カロテノイドで黄色のアヤコマチ。
甘味の少ない黄金千貫(コガネセンガン)等々。
備中鍬(びっちゅうぐわ:私のモノは三つ鍬)で適当に掘ると、芋に刺さり割れてしまいます。写真の紅ハルカは、その被害で割れたもの。我が家の食卓用です。
上の方が紅ハルカ、下の方がフクムラサキ
掘りたてを蒸しイモにして食べたら甘かったです。ひと冬(10〜15℃で)、室で寝かせると糖度が2倍位になります。温度・湿度をコントロールできる倉庫で保存した芋は、1年経つと糖度(ブリックス)が70度位になり、蜜芋になります。焼き芋を作る時は60~65℃でゆっくり焼くと糖度が増します(内在酵素のデンプンにアミラーゼが作用して、甘い麦芽糖、ぶどう糖に変化するため)。
下の写真は、黄金千貫(コガネセンガン)、名前の謂われは「黄金色のイモがざくざく獲れる」ことからだそうです。
黄金千貫(コガネセンガン)
九州(宮崎、鹿児島)と言えば芋焼酎。その焼酎の原料の大半がこの「コガネセンガン」です。糖度は少なく、でんぷんが多い品種で、焼酎にした際の芳醇な香りがその所以です。
黄金千貫は、澱粉を分解するためのアミラーゼがほとんどありません。だから、あまり甘くは無いのですが、ホクホクです。なので、ジャガイモの替わりに、肉ジャガ、カレー、シチュー等に用いると、意外と美味しくいただけますよ。お試し下さい。
「黄金千貫」入り、我が家の野菜カレー
黄金千貫より、もっとホクホクの芋「スイオウ(翠王)」で、クリームシチューを作りました。ジャガイモより少し甘いですが、食感は腰があり、ジャガイモに似て、あっさり味で美味しかったです。スイオウは、葉をお茶に用いる品種で、芋は市販されていないかも!?
今後の販売に期待です。
「スイオウ(翠王)」入り、我が家のクリームシチュー
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