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第22回  縁起のいい植物!? みんなのダイコン!!

  • TAMTAM
  • 2022年6月28日
  • 読了時間: 6分


今月の薬用植物は「ダイコン」です。

ダイコンは、アブラナ科(旧十字花科)の植物で、広く栽培されており、日本人にとっては最も馴染みのある野菜の一つです。

白または淡い紫色の、十字の4弁花をつけますが、普通は、花はあまり見られません。

ダイコンは、花が咲いてしまうと根の部分(肥大根)に「ス」が入り食味が悪くなるので、花が咲く前に収穫されてしまうからです。

以下の写真は、ダイコンの花です。


ダイコンはスズシロ(蘿蔔)と呼ばれ「春の七草」のひとつです。

ちなみに、「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな 、すずしろ」で、春の七草です。

順番に、分かりやすく「セリ、ペンペン草、ハハコグサ、ハコベ、コオニタビラコ、カブ、ダイコン」と呼ばれている植物です。


大根(肥大根)を食べたことがない人はいないと思いますが、ダイコンの葉はいかがでしょうか? ふりかけや漬物にすると美味しいです。ただ、スーパーでは葉を落として売っていますし、近頃は農薬の心配もあって、あまり食べないかもしれませんね。

肥大根(根の部分) 

左:青首ダイコン 右:赤首ダイコン (農家の畑にて2022年1月15日撮影)


生野菜の水分含有量、もっとも多いのはキュウリで約98%、次が大根で約95%です。

キュウリは、果実を、生食や漬物、加熱して食べますが、葉や蔓は食べません。

しかし、大根は、地上部も根の部分も、全部食用になり、干して保存食にもなる野菜です。


「花しらず 時無し大根」の種子を購入、借りている畑で、3月から栽培しました。

肥大生育が早く、品種によっては、寒さ、暑さ、ある程度の病害に強いので栽培しやすく、家庭菜園には最適です。

「花しらず 時無し大根」、150本以上発芽し、半分間引き、1本だけが花をつけました。

根(大根)の長さ30cm以上、長いのは50cmぐらいあります。そんなに太くない白ダイコンです。あまり間引いていないので、細いのが多いです。

無農薬なので葉も食べられます。料理をする奥さんは大変でしょうが…。

今日(6/26)は、大根の根も葉も一緒にイカの煮物にして食べました。

花しらず 時無し大根(2022年6月26日撮影)


ダイコンの葉やニンジンの葉は、抗酸化力がとても強いので、無農薬の葉を小さく切り、ちりめん雑魚 & 胡麻と一緒に、フライパンで炒って「ふりかけ」にして食べると、風邪や骨粗鬆症の予防に良いですね。芳ばしくて美味しいので孫達も喜んで食べますよ。

ちなみに、日本のダイコンの品種は、各地で品種改良されて50種以上もあるといわれています。



<ダイコンの科学1>


ダイコンの根は、すり下ろすと、特に辛くなります。これは細胞を壊すことにより、カラシと同じ様な辛味成分が、酵素(タンパク質でできている)で分解され、生成されることによります。切るだけでは、辛味はほとんど生成されません。また、熱をかけると「酵素」は失活(機能を失う)するので、煮物にした時も、辛味はほとんど感じられません。


ダイコンの中には、澱粉・多糖を分解する酵素(アミラーゼ:ジアスターゼ)があり、澱粉の消化を助けます。「ダイコンおろしと納豆」を混ぜると、糸を引かなくなります。これは酵素のせいです。糸を引かないので食べやすいかな(笑) 遊んでみてください。


大根には多くの酵素が含まれています。

①「アミラーゼ(ジアスターゼ)」は、でんぷんを分解し、食べ物の消化を助け、胸焼けや胃もたれ、二日酔いなどを防でくれます。


②「プロテアーゼ」や「セテラーゼ」は、タンパク質分解酵素です。肉に大根おろしをまぶしておくと、肉を柔らかくしてくれます。お試し下さい。


③「リパーゼ」は、 脂質分解酵素です。脂(油)の多い物を食べると胸やけをするは、一緒に大根おろしを食べると、胸やけ防止、胃もたれに良いですよ。


④「オキシダーゼ」は、発がん物質を抑制する酵素です。



<ダイコンを薬用に>


ダイコンは、中国名の「菜箙(らいふく)」から「来福」、「薬味であるダイコンをおろす」ことから「厄をおろす」等、縁起のいい植物として、昔から重用されてきました。

また、縁起がいいだけでなく、様々な効用があり、民間療法には欠かせません。


大根(菜箙:らいふく)は、辛甘、涼。

肺・胃に入り、積滞を消す、痰熱を化す、気を下す、中を寛やか(ゆるやか)にする、解毒する等の効果があり、消化を助け、咳・咽の痛みを抑え、痰を除く、イライラした気分を落ち着かせる等、様々な作用が期待できます。


種子(菜箙子:らいふくし)は、辛甘、平。

肺・胃に入り、気を下ろし喘(ぜん)を定める。食滞を消し、痰を化す等の効果があり、咳・咽の痛みを抑え、痰を除く、消化を助ける作用が期待できます。


葉(菜箙葉:らいふくよう)は、辛苦、平。

脾・胃に入り、食を消す、気を理する(気を整える)効用があります。

<阿蘇の民間療法>


ダイコン葉の煮汁を産後の牛に飲ませると、親牛の胎盤の排泄が促進され、「産後の肥立ちが良い」と、今でも使われています。


干葉湯(ひばゆ)といって、ダイコンの干した葉を浴剤として「女性の冷え性」や、「冷えた身体を温める」ために用いる習慣が各地であるようです。無農薬のものをご利用ください。

「何故、ダイコンの干した葉を風呂に入れると体が温まるのか?」という問合せがありました。これは、ダイコンの辛味成分が皮膚吸収され、血管を拡張、血流量を上げる可能性があるからだと思います。ただ、入れ過ぎると皮膚がピリピリします。また、ダイコンの葉に細かい毛があり、物理的に刺さる(触れる)等、刺激で、皮膚が痛くなることもあります。皮膚の弱い方、アレルギー等の皮膚疾患のある方は、注意して下さい。



<ダイコンの科学2>


ダイコンの葉を浴湯に用いるのは理にかなっています。

アブラナ科の植物は、辛味の成分のイソチオシアナート(イソチオシアネート)類を含みます。イソチオシアナート類は辛味受容体のTRP-A1(Transient Receptor Potential A1‎)に作用します。TRP-A1は、わさびの辛味の受容体であり「17℃以下の冷温度域で痛みの刺激」を感じます。TRP-A1を活性化させると「寒くなる(17℃以下の冷温度)」と、脳が判断し、身体を温め始め、暖かくなることが分かってきました。



<風呂に用いたい時、前もって大丈夫かどうか試す方法>


まず、煮出した液を布に浸し、手の甲につけてみる。

これで問題なければ、

 

二の腕(脇の下の近く)につけてみる。

これで問題なければ、

 

お腹、脇腹につけてみる、

これで問題なければ、

 

少し薄めの煮汁、または、ネットに葉を入れ、浴湯に用いてみる。 

葉は、無農薬の物を使って下さいね。



煮物や炒め物、サラダ、大根おろしなどに利用され、いろいろな料理で活躍する「大根」。

・肥大根には、水分が豊富に含まれる他、水に溶けやすいイソチオシアネート、消化酵素、ビタミンCなど、

・葉っぱには、脂溶性のβ-カロテン(ビタミンA)、水溶性のビタミンC、カルシウム、カリウムなど、

様々な栄養素を含み、健康効果を大変期待できる「大根」。

栄養満点で、美味しい大根をたくさん食べて、胃腸をいたわり、夏バテしない健康的な身体を作ってください。



<追伸> 前回の「ジャーマンカモミール栽培、ワンオペ奮闘記」で、ご紹介した「カモミールの畝」です。

種子の収穫をし、終わりが近づいています。(2022年6月22日撮影)


収穫した種子、来年も播種します。また花が咲きますように。

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