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第27回  ショウガは冷えに強~い味方!!


9月になると新ショウガ(生姜)が八百屋に並びだします。そして冬に向かい寒くなってくるとショウガ(根茎部)を使う料理が多くなりますね。


今回は、ご存知ショウガについて書いてみました。

ショウガはショウガ科の多年草。熱帯アジアが原産で、現在は各地で栽培されています。

季節でいえば、冬の野菜で、根茎部分を薬味(スパイス、香辛料)などの食材に、また、身体を温める効果、抗菌(静菌)効果があり生薬としても利用されます。

左:新ショウガ         右:ショウガ(根茎部)


ショウガは「根茎」を利用する野菜で、「根ショウガ」といわれており、主に香辛料として利用されます。市販されている「根ショウガ」には、「新ショウガ」と「ひね生姜(古根ショウガ)」の2種があります。


(1) 新ショウガの少し白い部分(写真左)は、赤い茎が付いています。辛味が薄く、清涼感があります。赤い茎にはポリフェノールの一種アントシアン(Cyanidin glucoside, Peonidin 3-rutinoside等)を含みます。


(2) ひね生姜(写真右)の茶色の部分は「種ショウガ」で、辛味が強いです。新生姜を長期保存すると皮が茶色になり、通年売られています。薬用には、ひね生姜(種ショウガ)を用います。


●流通している生姜に関して、熊本の野菜市場の方にお聞きしました。

(1)新生姜:

親生姜から出て育った生姜で親(種生姜)から扇状に発育した写真の色白の部分。


(2)古生姜(ひね生姜):

新生姜を収穫して洗わず、泥がついたまま貯蔵庫に保管し少しずつ出荷して、段々水分が抜けて皮が変色します。数か月すると茶色になり、水分が抜けて辛みが増してきます。


新生姜は、辛味よりも香りを大事にし、古生姜は、調理用に、魚及び肉の臭味消しの目的で使います。新生姜の、出来が良い物を「種ショウガ」として取っておきます。


●ショウガは、薬用として3種類を使い分けします。


(1)ひね生姜:生のショウガで、前年に種ショウガとして植え付ける根(塊茎:カイケイ、根茎:コンケイ)の部分がベスト

体の中を温めるというよりも、発汗作用が強いです。吐き気がある時は、必ず生で用い

ます。「風邪かな?」と思った時は“生姜湯”を! また、葛根湯を飲んだ時に一緒に“生姜湯”を飲むと、葛根湯の効きがいいですよ。


(2)生姜(ショウキョウ)・乾生姜(カンショウキョウ):ショウガを乾かしたもの

発汗よりも体内を温める力が強いです。葛根湯、桂枝湯などに利用されています。


(3)乾姜(カンキョウ):ショウガを蒸して乾かしたもの

体内を温める力が大変強い。漢方薬で大建中湯(だいけんちゅうとう)に利用されます。

大建中湯は、イレウス(腸閉塞)などの時、腹部を温めるために用いられます。


●生姜ダイエット!?


数年前、「生姜ダイエット」が流行りましたね。

「生姜ダイエット」は、日々の食事に生姜を取り入れることで、身体を内側から温め、代謝を上げるダイエットです。無理なく続けられるので人気のダイエットでしたが、体重を減らす目的では、あまり効果がなかったかもしれません。ただ、生姜は冷え性の改善に抜群の効果を発揮します!!

普通、八百屋さんで売っているひね生姜は生で、辛味で、発汗作用が強い「ジンゲロール」を多く含み、加熱すると成分が変化し「ショウガオール」が増えます。「ショウガオール」は、身体の内側(中)を温め、代謝をUP、身体を持続的に温かくすることで冷え性の改善に効果を発揮します。「生姜ダイエット」には、ひね生姜を加熱して用います。

ただ、利用量はホドホドに。胃は車に例えるとエンジンです。増やし過ぎると、胃を痛めるので注意です。また、ダイエットをすると筋肉が減り冷え性になります。まず運動をし、熱源の筋肉をつけましょう。


●手軽に身体の中心を温め、冷え性改善に!


(1)生のひね生姜をすり下ろし、熱湯を加え、保温用のポットに入れます。

(2)熱いまま3時間以上放置(朝作ると昼ぐらいまで)してから飲み始めるのがベスト。

冷え性の方は、身体を芯(中)から温め、冷えを改善します。

(3)ひね生姜のスライスを、鍋料理やスープ等に入れて食べるのも、冷え性改善に効果があります。

「1日10gぐらい」を限度にお召し上がりください。


●身体の中心を温める「熱したすりおろしショウガ」作りと利用法


(1)ショウガをすりおろす(利用したい量を、全て皮付きで)。

(2)すりおろしたショウガを耐熱容器に入れラップをし、500~600Wの電子レンジで1分位加熱。

(3)加熱したショウガを、よくかき混ぜる。

(4)「加熱→かき混ぜる」を3回ぐらい繰り返す。

(5)(4)のショウガを冷やして容器に入れ保存。冷蔵でも冷凍でもOKです。

(6)加熱した「すりおろしショウガ」を、様々な料理(生姜焼きなど)にご利用ください。

寒い時には、身体の芯が温まる鍋料理がいいですね。いろいろな野菜類を入れ、薄味でたくさん食べましょう。薄味でも、生姜、ねぎ等の「薬味」を使用すると、さっぱりと美味しくいただけますよ。


●腸内環境を整えましょう


ところで、冷えを予防することはとても大事なことですが、腸内環境を整えることも大変重要です。ショウガで体を温めて、緑黄色野菜や根菜類で腸内環境を整えましょう。

ご存知のように、野菜には植物繊維が多く、焼き芋ブームのサツマイモにも植物繊維が多いので、多めに摂ることで腸内環境が整います。また、緑黄色野菜の葉緑素には、便通を良くする「マグネシウム」が含まれるので、便秘の改善に役立ちます。


世の中には様々な情報が溢れています。あれもこれもと思い込みやすい脳を暴走させず、腹7分目で適切な食事をし、胃腸を労わりましょう。

腸内環境が整うと、自然と便秘や下痢が改善され、免疫力がUP、ストレスも軽減します。


皆さんも、年末年始の暴飲暴食はホドホドに!! 腸内環境を整え、健やかで楽しい生活をお送りください。


年内のブログは今回が最後です。次回は1月末(火)にアップいたします。

来年が皆さんにとって少しでも良い年になりますように!!

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