キュウリの美味しい時期ですね。今月はキュウリのお話しです。
キュウリは一年中、八百屋さんにある野菜ですが、本来は夏野菜で6月頃から暑さが残る9月にかけてが旬です。
キュウリはウリ科のつる性一年草。原産地はインドのシッキム地方(今は、ネパールとブータンの間、中国国境)と言われています。
インドでは3000年ほど前から栽培されていたと言われ、中国には、紀元前100年ぐらいに、日本へは平安時代に入り伝えられたそうです。ただ長い間、園芸野菜として鑑賞され、野菜としてはあまり利用されていなかったようです。現在では、様々な料理に利用される重要な野菜の一つです。
英語では、Cucumber、中国語では、Huángguā(黄瓜)と言います。
漢字では胡瓜と書き、中国西域の「胡」から伝来の「瓜」という意味です。 他にも熟すと黄色くなることから「黄瓜」、昔は臭気が強かったので「臭瓜」になった等、諸説あります。
キュウリの子供(左)成長したキュウリ(右)
キュウリの雄花(左)雌花(右)
●ギネス世界記録保持
キュウリは、ギネスワールドレコーズに、記録名「Least calorific fruit」で、認定されています。この世に存在する果実の中で最もカロリーが低いという意味で、きゅうり100gあたりのカロリーは、わずかに14kcalです。「きゅうりは栄養がない」というイメージは、ここからきているのかもしれませんね。
●キュウリの栄養素
96%は水分で、あまり栄養素が含まれていないと言われるキュウリですが、低カロリーだからといって、栄養がないというわけではありません。ビタミンCは多く含まれています。
◆キュウリには「不溶性植物繊維」と「水溶性植物繊維」の両方が含まれています。植物繊維は善玉細菌の増殖を助け、腸内環境の改善が期待できます。
◆汗で失いがちなカリウム(K)を多く含み、その利尿効果で、ナトリウム(Na)の排泄を促し、むくみなどの解消、高血圧の改善が期待されます。
運動等の後に、キュウリを食べると水分補給になり、喉の渇きが解消されます。夏バテ予防にいいですね。
ネパールでのトレッキング後のでっかいキュウリ(下)は格別で、疲れがすっかり吹き飛びました。重さが5kgぐらいで、日本のキュウリのイメージとはだいぶ違います。
◆キュウリ独特の青臭さは「ピラジン」という成分によるものです。ピラジンは血液凝固抑制の働きがあるといわれ、血液をサラサラにして血栓が出来るのを防ぎます。
◆脂質を分解する酵素「ホスフォリパーゼ」が含まれています。ホスフォリパーゼは、タンパク質なので加熱すると壊れます。
◆酸化を防ぐミネラル「シリカ」が含まれています。
シリカ(Si)は美肌効果、爪、毛髪の老化や修復作用があると言われています。
キュウリを摂ると痩せるかな?若返るかな?上手に普段の食事に取り入れてみてください。
◆キュウリはビタミンCが豊富ですが、ビタミンCを破壊する酵素「アスコルビナーゼ」が含まれています。そのため、生のキュウリを他の野菜やジュースと一緒に摂ると、ビタミンCが壊れてしまいます。キュウリを食べるときは、ドレッシングや酢を使うと、ビタミンC分解酵素の活性を少し抑えられます。キュウリの酢の物は理にかなっていますよね。また、生で食べるときには、ビタミンCが減少しないうちに早めに食べましょう。
◆なお、キュウリには苦味のある「ククルビタシン類」という成分も含まれています。
ククルビタシン類は、キュウリ、ゴーヤ、メロンなど、ウリ科植物などに広く含まれています。少量ならほとんど問題は無いのですが、苦味の強いキュウリなどを食べて、万が一、中毒になると、下痢、腹痛、酷い時は気が遠くなるような嘔吐・下痢を繰り返しますので、苦味が強い時は食べないように注意してください。
涼をもたらす野菜の代表選手のキュウリ。扱い易く、「あと一品、時間をかけずに作りたい!」「火を使わないでもう一品!」というときにも大活躍のキュウリ。
この夏、ぜひ、いろいろ工夫し、巧く利用して、キュウリ料理をたくさん召し上がってみてください。
最後に、
便秘改善についてのアドバイス!!
ジメジメと蒸し暑い日本の夏。水分不足やクーラーによる冷えで便秘が起こりやすい時期。日本の夏を乗り切るためには、腸の健康維持に気を配ることが大切です。
◆不溶性植物繊維を取り過ぎると、逆に、便秘が悪化(重症化)することがあります。
◆水溶性植物繊維は、便を軟化させると言われています。
◆海藻類は、消化しない多糖(植物繊維)を多く含みます。ご飯やおかずに混ぜて摂ると便秘の改善にいいのでお試しください。
◆お腹を温めましょう。下腹部が冷えると大腸の動きが悪くなり、大便が大腸に停滞し、大便の水分が減り、固く、コロコロになり、滑りが悪く、糞詰まりになります。
腹巻きをして冷えないようしてください。塩 または 糠を布袋にいれ、電子レンジで温めタオルで巻き、お腹の上に置きお腹を温めるといいですよ。
◆こまめに水分を摂りましょう。 特に、朝、お白湯をコップ1杯摂ると、腸が目覚め、活発に動き出すようになります。
口と肛門は、約10mのパイプ(食道〜胃〜小腸〜大腸)で繋がっています。一日に3回も食事をするのに、1回も出さないなんて!! 身体からの大きなお便り(大便)を出さずに便秘になると、体に不要の毒素も大腸で吸収され、肌荒れなど、さまざまな不調を引き起こします。また、大便を溜め込んで体重を増やさないように!! 少なくとも一日1回は出して下さい。夏バテ防止にもつながりますよ。
以上をご参考に、大便は我慢せず、出し、この夏、楽しい生活をお送りください。
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