今回ご紹介するのは、食用・有用植物、有毒植物のダイズです。ダイズを知らない人はいないと思いますが、ダイズの花は、ほとんどの人が見たことがないのではないでしょうか。
アズキ(小豆)の花は黄色ですが、ダイズ(大豆)は、青紫色の小さな花を葉の根元に咲かせます。花期は7~8月、マメ科の一年草です。ダイズは中国原産で、およそ5000年も前から栽培されており、いまでは世界中で栽培しています。
ダイズの種子を大豆といい、生で食べると、下痢・嘔吐を起こします。食用には加熱して、きな粉、豆腐、味噌、醤油、納豆、おから、湯葉、豆乳など、様々に加工されます。 そして、若いダイズの種子は、ビールやお酒のつまみの定番の枝豆です。枝豆も生で食べると、下痢・嘔吐をおこす可能性があります。
ダイズの花
アズキの花
ダイズの効用
ミシマサイコはこんな植物
大豆は、タンパク質、脂質が多く、糖質も含み、栄養価が高い食品です。「必須アミノ酸」をご存知でしょうか?身体を構成するタンパク質を作るために必要なものです。それを玄米(白米は糠を取り除いた粕ですね)と大豆で、ほとんどまかなえます。昔の日本人は、肉や乳製品等は摂れず、魚介類と、野菜、穀物、豆類などを中心に、旬の食材を上手に取り入れ、理にかなった食事をしていました。近頃は、大豆ミートを肉の替わりに使うようになってきています(今後に期待)。
大豆といえば、一般的には「黄大豆」を指します。豆まき用の豆です。大豆には、白、黒、赤、緑などがあり、薬用として用いられるのは黒豆です。
民間薬として、咳止めには20g位を水300mℓ位で半量までに煎じ、何度かに分けて頓服※で飲んだり、炒った黒豆20g位に500mℓ~1ℓ位の熱湯を注ぎお茶代わりに飲むと解毒、利尿作用でむくみの改善になります。
お酒を飲む時には、枝豆や大豆製品を一緒に食べると、肝機能を高め、二日酔いしなくなる可能性があります。お試し下さいね。
花でお茶を作って飲むのも解毒の効果は強いようですが、花は小さいので、大豆の方が大きくて良いですね。普通の大豆でも同じような作用はありますが、少し弱いようです。
※頓服:決められた時に薬を飲むのではなく、症状が出て必要になった時に薬を飲むこと。
このように一般的な大豆には解毒作用があります。ただ黒豆の方が、作用が少し強いようです。お節料理に「黒豆」は付き物。「黒豆」のいわれは諸説ありますが、マメ(豆)に元気に働けるようにと、無病息災を祈って食されます。肝臓を丈夫にして一年を乗りきりましょう。汁も一緒に飲むと良いですね。ただ糖分には気をつけてください。
また、大豆にはイソフラボノイド類がたくさん含まれています。イソフラボノイド類は、女性ホルモンの様な作用があり、男性の前立腺肥大の改善、女性の更年期障害の予防などに効果があると言われています。
ただ、女性ホルモンの様な作用があるイソフラボノイド類を多く含む豆乳を、乳児には飲ませ続けないでください。
さらに、虫食い大豆は、避妊作用があります。成分が虫害により変化するからです。虫食い大豆を乳牛に食べさせると、何故妊娠しないのかを「熊本県畜産試験場」の方が解明し、マメ科植物はイジメると動物に食べられないような成分を増やすことが分かっています。
カレーにもダイズ
ボクはネパールが好きでよく行きます。今年はコロナ禍で行けませんが、去年は1〜2月に1ヶ月ほど滞在。写真は、2500m位にあるホテルから見たヒマラヤです。ヒマラヤ山脈の日の出は、神々しく感動的です。
朝日に染まるヒマラヤ山脈
ネパールでは毎日カレーです。特に豆カレーのダルバート[ダル(豆)、バート(米)]は大好きです。緑豆、小さな黒大豆、黄色大豆などが入っています。カレーは薬膳、カレーの香辛料には、抗菌・静菌、健胃など、健康に良いですね。ただ、トウガラシ等の香辛料は刺激が強いと胃腸を痛めますので注意!!
豆カレー「ダル カレー」
さて、今月からこのブログは、月に2回のアップとなっております。引き続きよろしくお願いいたします。 なお、インスタグラムで「ドクトルしょうちゃんのきまぐれ植物だより」を、ちょこちょこと、きまぐれに、アップしていきますので、そちらもお読みいただけるとハッピーです。
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